痛々しいその姿にあたしは絶句する。


夕子たちは「やばい」と呟いて走って逃げて行ってしまった。


それでもあたしはその場にとどまっていた。


ツグミはなれない松葉づえに苦戦しながらも、一歩一歩歩いてくる。


「ツグミ……」


あたしの声に気が付いたツグミが立ち止まって顔を上げる。


あたしの顔を見た瞬間、その表情は苦々しく歪んで行った。


「ツグミ、あのさ」


なにか声をかけようとしてそう言ったのだが、ツグミはあたしを無視して横を通り越して行ってしまったのだった。