「違う。あたしじゃない」


あたしは左右に首をふってそう答えた。


やったのは夕子だ。


あたしはそれを目の前で見ていた。


「本当か? あの男に恨まれるようなことをしたんじゃないのか」


険しい口調で問いただして来る父親に、苛立ちを感じた。


「違うってば! 動画を流したのは夕子。夕子はあたしを犯人扱いしたの!」


思い出しても腸が煮えくりかえりそうになる。


あの動画を撮影したもの、ネットに流したのもあたしじゃない。