悲鳴を上げて教室から逃げ出す女子生徒たち。


あたしたちも逃げた方がいい。


そう思うのに、夕子がちっとも動こうとしない。


「夕子、逃げるよ」


友里恵ちゃんが小声でそう言い、夕子の手を掴んで立たせようとする。


その時だった。


「お前らか?」


2人の動きに反応した男がそう言い、こちらへ向かって歩いてきたのだ。


歩くだけで嫌というほど威圧感があり、あたしは呼吸が止まってしまいそうだった。


ずんずん近づいてくる男を先生は必死で止めようとする。


しかし、男は先生の体を簡単に突き飛ばしてしまった。