そう聞くと、春子は一瞬苦しむように表情を歪ませた。


「だから、わざとあたしにキツク当たってたの?」


更に質問を続けると春子は完全に黙り込んでしまった。


静かな時間だけが流れて行くけれど、これは春子が肯定したのと同じ意味を持っていた。


あたしはゆっくりと席を立ち、自分のプリントを春子に渡した。


「あたし、気分が悪くなっちゃったからもう返るね」


早口で春子にそう言って、あたしは教室を出たのだった。