「そんなの、わかんないよ……」


消え入りそうな声で言うと、春子の目にうっすらと涙が浮かんでいるのが見えて息を飲む。


「あたしはここに入学してからずっと模範的な生徒だった。先生からの信頼もあって、勉強もできて、なにも問題はなかった!!」


春子が言いたいことはよくわかる。


あたしだって、春子はいい子だと感じている。


あたしは何も言う事ができず、ただ春子の体からにじみ出ている怒りを感じていた。


「ドジでバカで運動もできないあんたが、どうして最近夕子と仲がいいの?」


その言葉に胸がズキンッと痛んだ。


春子の言っている事は正しい。


正しいからこそ、痛かった。