うそつきペン

そう思っていたのだけれど……。


「これはなに?」


春子のスカートのポケットを確認した先生がそう言い、白い紙を手に持った。


教室中がザワめく。


「知りません!」


春子は慌ててそう言うが、先生の目は春子を捕らえて離さなかった。


「ちょっと廊下へ出ましょう。瀬戸さん。15分経ったらみんなのテストを回収して、教卓の上に置いておいてもらえる?」


「はい」


夕子は笑顔で頷く。


春子は青ざめた顔のまま、先生と共に教室を出て行ったのだった。