ヒロイン失格者達のお茶会




よしよし、どうやらこっちの話題に興味関心があるようだ。



「悪役令嬢ってあたしみたいなポジション?」


「詳しくは分からないけど、でも人気はあるみたいだよ」


「……先にエリカに、ヒロインポジション奪われるのはショック」


「大丈夫よ。あたしはもう、ヒロインになれる可能性失ってるわよ」



でもどこか嬉しそうな顔をしているのを、私は見逃さなかった。


少なからず私達は、ヒロインになれるチャンスを持っているということを意味しているのだから。



「もういっその事、私達が異世界転生してヒロインになってみたいものですね」


「……わたしは転生しても陰キャでいいかな」


「どうして?」


「……最初からスポットライト浴びるのは無理……この生活に慣れてるから」


「でもその気持ち、分からなくもないわ」



そう、ヒロインに憧れる私達はヒロインになろうと努力した。


でも一周回ってみてようやく分かることがある。


ダメな所も確かにあるのは分かってる。


ヒロインにあって自分に無いもの、でもそれは逆にも言えることだ。


可愛くなりたい、誰からでも愛される存在になりたい、その願いは確かにある。