「佐川の友達大丈夫?」

「ああ、海斗?いいって。女子好きだから。」

「いや、椎名ちゃんはただの女子じゃない。女子好きでも結構手強いと思う。」

「それぐらいがいいんじゃね?海斗に合ってる。」

「それなら、いいんだけど。」

しんと静かになった。

ただ、文化祭のにぎわいが響いているだけ。

「「あのさ。」」

「じゃ、そっちからで。」

「いや、いいよ。佐川からで。」

「分かった。」

真剣な目で私を見つめてくる。

ドキドキ。。。

「西牧はなんで俺に勝ちたいと思ったんだ?」

え。

「あれは売り言葉に買い言葉って感じで。。。。」

「深い意味はないと?」

「おっしゃる通りです。」

佐川は安心したような顔で笑った。

「そ。ありがとう。」

その顔は寂しそうにも嬉しそうにも安心したようにも見えた。

佐川の中に複雑な何かがある、そう悟った。