「巽お帰りー。朝練お疲れさまー」


「おはようの間違いだろ、旭。なに? 晃と仲良くなったの?」


「もはや親友の域だ」


「そうだったの?」


胸を張った旭が、俺の一言でしぼんだ。


「……晃、ノリ悪い」


「いや、実はこいつ相当ノリいいよ。顔面がついてこないだけで」


「顔面」


ぶはっと旭が吹き出した。どーいう意味か、巽の奴。


ふとさゆの方を見ると、三人がこちらを見ていた。


さゆの姿を見るだけで口元がゆるむ。それを巽と琴には「にやけてる」って言われるとはわかっているけど、どうにも自分では抑えられない。
 

……昨日、さゆは旭のことを過去形だと言った。


でも、また好きになることだってないわけじゃない。


……旭なら………。