……翌、朝のホームルームが始まる前、隣からやたら視線を感じる。


「……なに、青山」


「いやー、晃くんってほんとキレイな顔してるよねーって思って」


「……それ、最悪」


俺は、自分のツラと声ほど嫌いなものはない。


「あ、そうなの? ごめん、不躾に」


あ、引くんだ? 深くツッコんで来なかったところは好印象だ。ツラと声は俺の地雷だから。


「晃くんてさ、さゆと一位争いしてるんだって?」


「……別に、そんなんじゃない。周りがそう取ってるだけ」


「そうなの? でも付き合ってるんでしょ?」


さゆ、青山には話してないのか。本当に付き合っているわけじゃないって。


昨日、俺をさゆの彼氏だと名指しした三人はそれを知っているんだけど。


……もしかして青山っていじられるタイプなのか?