「雪村。お前と勉強する予定なんかないでしょ」


「どーせ家じゃ勉強するか家事するかしかしてねーから一緒だろ」


「っ! そういうこと外で言うんじゃない!」


真顔で言われると余計腹立つ! 凛(りん)ちゃんや琴(こと)ちゃんと連絡とかもしてるわ!


「なに恥ずかしがってるんだ? 同衾(どうきん)した仲だろ?」


「なっ……」


そ、それこそ外で言うんじゃなーい‼


本気で首を傾げる雪村を本気で殴ってやろうかと思ったけど、視線を浴びていることに気づいてはっとした。


そういやこいつ見目(みめ)良いから目立つんだよ! 一緒にいたら悪目立ちしてしまう! 


そろりと一歩、横に離れた。


「おい? なんだ、その距離は」


「いや、雪村と一緒に登校する理由ないし。私はフェードアウトしていくのが一番いいな、と」


「隣歩いてりゃいいだろ」


「やだよ」


「ああ、お前、一度も俺を追い越したことないもんな? 俺と並んで歩くのも無理か」


「なんだと⁉ じゃー先に行ってやるわ!」