「でもダメ。もう我慢できない」



否応なしに抱きすくめられる。



「真凜…」


耳元でそっと名前を囁かれ、緊張とドキドキで心臓が壊れてしまいそう。



「こんなのでガチガチになって、かわいい…」



楽しそうに笑ってるし。



「からかったの!?」



「隙あらばしたいけど?無理にしてもな」



きっ…緊張した…。



ふにゃっと力が抜けていく。



「この手のこと、全然だめなんだな…かわいー」



「もうっ、バカにしてるよね?」



「してないって」



顔が笑ってるし。



「キスぐらい…なんてことないんだから」



「うそつけ」



「本当だから」



「じゃあ、真凜からして」



うっ…うそでしょ!?



ニヤニヤしながらこっちを見ている。



あぁ…やっぱりからかわれてる!