王子様の弱みを握っただけなのに。



「じゃあ、お腹が空いてる王子様にこれを与えよう」



笑い終えた後、私はポケットからある袋を取り出す。



「……グミ?」


「うん、これあげるよ。
じゃあ、私授業あるからこれで」


「おう、ありがとな」



王子様が食べるより前に私はお弁当を持ってひとり教室へ向かったのだった。



本当に、単純というか……



「チョロいよ、王子様」



思わず呟くほど、彼は隙がありすぎる。


本当にパーフェクトな王子様なんだろうか。


暇つぶしになるくらい面白いわ。



私はスマートフォンの電源を入れ、写真アプリを作動する。


アルバムの『最近削除した項目』を開き、王子様の写真を選ぶ。


そして復元というところをタップすれば、元通りってことよ。



うふふ、これは本当に楽しい。


ひとりで笑ってると流石に怪しまれるので、心の中で秘めておくことにした。