王子様の弱みを握っただけなのに。



でも、無理でしょと言った手前、こいつにだけは知られたくない。


それに秘密ってほどでもないし?



……心の中で否定するのも虚しくなってきた。



「まー、諦めたら?
私の弱みを握るだなんて100万年早いわ」


「……」



早くお昼を食べたいので、強引に話題を切り上げようとしたが、王子様はハトが豆鉄砲を喰らったような顔をした。



ふふ、今の顔を撮りたいわ。


とっても面白い顔をしているわ。



そう思い、スマホを取り出して王子様の表情が戻る前に急いでシャッターを切った。



「お前、今何した……?」



パシャという効果音とともに、ハッとなった王子様は私を指差しながら、おそるおそる尋ねる。



「ん? 何ってそりゃあ、王子様の面白い写真を撮っただけ」


「おい! 今すぐ削除しろ!!」



私はけらけらと笑いながら答えると、王子様は出し抜かれた顔を浮かべながら、私に強請ってきた。