さりげなく発した好きという二文字にキュンと音を立てた。
そうしてリビングへ向かうと、いつの間にか帰ってきたのか、お父さんが一足先に椅子に腰掛けていた。
「あ、おかえりお父さん」
「ああ、ただいま……そちらの方は?」
「初めまして。星本歩夢と申します。
沙也加さんといつも仲良くしています」
「……彼氏じゃないのか?」
「いえ、それは「そうなのよ〜! 本人達は否定してるけど、さっき部屋で抱き合ってたのよ!」
歩夢が否定しようにも、テンションが高いお母さんに遮られてしまった。
お母さん、人の話は最後まで聞くっていつも私に言ってるじゃない……!
自分もできないなら、人のこと言えないわよ。
「……お母さんから話は聞いてる。
ストーカーの件は本当に感謝している、ありがとう」
「あ、いえ、とんでもないです。
沙也加さんが無事で本当に良かったです」
「……立つのもアレだ。座るといい」
歩夢のパーフェクトなスマイルにお父さんは完敗したという謎の悔しさを滲ませた表情を浮かべる。
そんなお父さんに歩夢は「失礼します」といいながら、お父さんの向かい側に座った。



