友達が多くて、頭も良くて、運動だってできる。






クラスで男女が揉めたときだって、最終的に倉橋の人当たりの良い笑顔が、和解に導いた。





空気を読むのがうまくて、柔軟な性格で、たぶん、世渡り上手。









「橋倉、なんでこんなとこ来てんの」







口端の生クリームに訊ねた。





制服なんてもう3ヶ月以上着ていない。




制服どころか、家の中で着るような服しか着ていない。







私は正真正銘の、ひきこもりだった。





橋倉は、怪訝そうに首を傾げる。






それからカップをソーサーの上に置き、唇のまわりを舌で舐める。





そのときに、生クリームは橋倉の赤に絡めとられた。