どくん…
と、心臓が強く脈打った。
振り返ると、そこにはリョウマがいた。
私は慌てて日記を隠す。

「ううん!リョウマの部屋、掃除してただけだよ?」

「そっか…。リズナ、そろそろ夕飯食べない?おいでよ。」

そう言ってリョウマはキッチンへ歩いていった。
私は怪しまれないようにいつも通りに振る舞う。

キッチンの椅子に座ると、リョウマが美味しそうなステーキを出してくれた。
リョウマの手作りの料理は凄く美味しいから好きだ。でも、あの日記を読んでからは当たり前だが食べる気になれない。リョウマは元カノに暴力を振るっていた。それも物凄く酷いレベルの。彼女を傷つけた手で作った料理なんて食べたくない。