瞳に太陽、胸に星 ~誤解から俺様アイドルに付きまとわれてます(困)~



手に持っていたクレープをきりよく食べきったところで、片手に半分になった花束を抱えた秋田君があたしの腕を掴んで走り出した。

いくらお腹が空いてるっていったって、こんなに買ったのにまだ買うんだ……

お昼に近くなってきた谷宿は、平日なのに結構な人の数になってきていた。
秋田君が走って着いたお店も、ほんの少しだけど、列になってお客さんが並んでいる。

「ここな、俺のダチがやってる店。和モノは観光客とか海外でもウケるから、ハワイとかにも店があんだぜ」
「へえ! すごいね、そんな人と友達なんて秋田君もすごいよ。 さっきのキノコさんもだし、学校での秋田君と全然印象が違うよね」
「まあ、学校は無理にでも行っときたいからな、地味にしてんだよ」
「あはは、そんなこと言ってサボってるとか、変なの」
「……でもサボって良かった。今日のお前、学校にいるときの百倍可愛い」