「ご注文お決まりでしたらお伺いいたします」 「あっ、じゃあ、カスタードホイップストロベリーチョコレートブラウニー&チョコクリームひとつお願いします」 「かしこまりましたぁ」 あたしが小銭をいそいそと数えていると、秋田君にそれを制止されてしまった。 「これくらいは出せるよ」 「いいよ、ひとつ増えるくらい変わんねえし」 そう言って、秋田君はポケットから取り出したお札の束から五千円札を一枚抜き出して会計を済ませた。