会えるかもしれないって思ったら、
途端にカラダがあったかくなってきた。
「チャリ置き場、もう俺のしかないからすぐわかるはず! 水色のママチャリだから!」
走るあたしの背中に、吉岡君の声がエールみたいに聞こえた。
振り向く余裕はなくて、かわりに大きく手を振りかえした。
さっきは通れなかった校庭の真ん中を突っ切って、全力で自転車置き場を目指す。
白い息が、頬にかかってすぐに冷やされる。
冷たいけど、そんなことに構っていられない。
上履きの隙間から、校庭の砂粒が入ってくる。
だけど取ってる暇なんかない。
あった! 水色のママチャリ!



