でも、それじゃコンサートには間に合わないんだ。 ポケットから、チケットの入ったパスケースを取り出す。 開演まで、あと二時間くらいかな…… 誰か、来てくれますように。 だけどくよくよしてばっかりじゃ、いられない。 少しでも明かりがあるうちに、鏡を探さなきゃ。 そんな気合いも空しく、冬至を過ぎたばかりの冬の陽の短さを思い知る。 あっという間の真っ暗闇に飲み込まれたあたしには、寒さと、不安と、焦りしかなかった。