ぐしゃぐしゃ!
「あっ、やだ! ちょっとぉ!」
「じゃあな! 絶対来いよ!」
いつかの雨上がりみたいに髪を乱されて慌てたあたしを置いて、秋田君が駅に向かって走っていった。
ああ。
あたしがどれだけ離れようとしても、きっと秋田君はこうやって距離を詰めてくるんだね。
そう思ったら、マネージャーさんはああ言ったけど、言うだけ言ったしもうあたしができることはないな、なんて、都合のいいことを考えてホッとする。
なんの解決にもなってないけど。
あたしの手には“SMILE!”と書かれたピンクの鏡とチケット。
「拒否権なし、か。どんだけ俺様なんだか……」



