あのときだってマネージャーさんが「弟さん」って言うまで、先輩のことただの一瞬も考えていなかった。 あたしの中で、どんどん先輩が小さくなって、 かわりに秋田君がどんどん場所を占めてきている気がして不安になる。 忘れたほうがいいよって言う奈々や、忘れてくれって言う先輩のお父さんの思う通り、あたしは先輩を忘れてしまうのかな? 嫌だ。 先輩を忘れちゃうなんて! それに、先輩を忘れた先にあるものが、 秋田君だとしたら。 それは恋をしちゃだめな人だ、ってこと。