「早坂さん」 「あ、吉岡君」 吉岡君の爽やかな笑顔を見たら、心のモヤモヤが少し晴れた気がした。 「文化祭の件なんだけど」 「うん、どうかしたの?」 でもその笑った顔が、ちょっと苦い笑いを含んできて。 「あのさ、さっき先生からもういっこ難があるって」 「え、そうなの? なに?」 「ケーキ、広瀬んちの宣伝になるからよろしくないらしいんだ」 「あ、そういうのあるんだ……どうする?」 言われてみればたしかにそうだよなと思ったけど、ぜんぜん考えてもみなかった。