先輩の命日からここまでに起きたこと、たぶん、全部、話した。

酔っぱらいの話は、やめておいた。
怖かったけど、なにもなかったし。

秋田君の話だけで、精一杯だと思ったから。
あたしも、奈々も。

「ごめんちとせ。頭が追い付かない。それホントに全部この一学期だけの話なんだよね?」
「……うん。あたしもまだ正直ついていけなくて」
「てか、だからずっと鏡使ってなかったんだ。私てっきり新しい人生歩むためにそうしてるんだと思ってたよ」
「うん……」