うわっ、めちゃ酒臭い……
「俺ね、あそこで飲んでたんだけど、酔っちゃったから醒まそうかなーって」
「はあ、そうですか」
酔っぱらいが指さしたのは大騒ぎしていたグループのあたりだった。
どんだけの飲み方したら真っ昼間の河川敷でこんなぐでぐでに酔えるのか。
「あれ? おねーさん、もしかして若い? 年いくつ?」
「むこう、行っててもらえませんか」
「えーなんでよ。オハナシしようよー」
「私は話したくないので。失礼します」
酔っぱらいに絡まれて面倒くさいなと思って、あたしはその場を離れようと思った。
のに。



