「あ、のさ」
「ん?」
「こないだね、桐野に会ったんだよ」
「えー桐野? 懐かしい! そういえば家近所なのに全然会わないなぁ。どこだっけ」
「ぷっ。台商だって。あそこウチより少し遠いから、朝早いみたいだよ」
「あーそれでか。で、桐野となんか話したの?」
奈々が、たった数ヶ月会わないだけで「懐かしい」とか言うから、思わず笑ってしまった。
「バーベキューやるから行かないか、だって」
「えーーー! なにそれ、実はちとせ狙いだったってこと? まじかぁ」
「ち、違う違う、なんか、プチ同窓会みたいな感じだから、奈々と一緒にどうかって」
「そういうことね。ごめんごめん。ちとせ、行けるの?」
焦ったぁ。
まさかそういうふうに捉えられるとは、考えてなかったから。



