「ちとせ~、おつかれぇ。入って入って!」
「おじゃましまーす」
奈々の家はお店と繋がってるから、家の中がケーキ屋さんの甘い、幸せな香りで満ちている。
「相変わらずいい香り。甘くって、香ばしくって」
「ふふふー。今日はちょっとイイブツがありやすぜ」
「ブツって。あはは」
「ちょっと待っててね、すぐ戻るから」
そう言って、お店に行くドアの向こうに奈々が消えていった。
ホントにすぐ戻ってきた奈々の手には、焼き菓子がたくさん入ったバスケットと宝石みたいにキラキラのフルーツジュレを乗せたトレイがあった。
メニュー