瞳に太陽、胸に星 ~誤解から俺様アイドルに付きまとわれてます(困)~



ウチの放送部はホントに凄くて、出身の脚本家とか、アナウンサーもいる。

だからってことじゃないのかもしれないけど、放送部の活動はまるで運動部みたいな厳しさだ。

文化部なのに、ジャージ着用。
はじめにまず、校庭で体操してトラック十周してから部室に行くの。
そのあと、発声練習のメニューをこなして、企画会議とかの座学。
発声練習の声は人数も多いから部室のある階に毎日響き渡る。

『拙者親方と申すは、御立会の内に御存知の御方も御座りましょうが、御江戸を発って二十里上方、相州小田原一色町を御過ぎなされて、青物町を上りへ御出でなさるれば、欄干橋虎屋藤右衛門、只今では剃髪致して圓斎と名乗りまする――』

先輩がよく聴いて練習してた『外郎売』。
あたしは読み上げるので精いっぱいだったけど、先輩はすっかり暗記していた。