だけど…… みんな、偉いな。 先輩のお父さんといい桐野といい、前を向いて進もうとしてるんだ。 「まあ、それはそうとさ。俺ちょうど早坂に連絡しようと思ってたんだよ」 「へ? なんでまた」 苦笑いする桐野の表情が、急に、こっちが照れちゃうくらいに緩んだ。 同じ苦笑いなんだけど、これは照れ笑いってやつだ。 「……あの、さ、早坂って、広瀬と高校同じだろ?」 「あ、うん」 「それで……」 ん? この感じ。 もしかして。