「あれ? 早坂? 久しぶりだな」
「桐野!? わぁ、久しぶり!」
商店街で同級生の桐野にばったり会った。
髪、伸びてて一瞬わかんなかった。
前はスポーツ刈りみたいなベリーショートだったのに、今は短髪だけどワックスで遊ぶくらいにはなってて、ちょっと色も明るくなってる。
そんなに高いほうじゃなかったはずなのに、ぐんと背も伸びてるし、日焼けした肌に歯並びの良い白い歯が爽やかワイルドだ。
「学校変わるとマジ会わねえよな。地元の奴」
「ホントだよねぇ。桐野はどこ行ってるんだっけ」
「台商台商。オレ馬鹿だから」
「バカってか、陸上バカで勉強してなかっただけでしょ、小学校の頃は結構良かったの、憶えてるよ」
「いやいや、小学とかで良くてももう伸び止まりだね。陸上辞めてさぁ勉強と思ったときにはもうサッパリ」



