それは、亡くなってから先輩のお父さんがしてくれた話なんだけど。
毎日、ILNEの通知音が来ると大惺からかと思ってしまう、って。
あたしもILNEのトーク履歴、毎日見ちゃう。
写真とか動画より、履歴のほうが生々しいというか、先輩を感じるんだ。
だって写真は小さいし動画も、どうしても『過去を切り取った一部を見てる』って感じがしてしまうから。
ILNEのメッセは、それを受け取った瞬間の記憶が、今に繋がってて、いつか既読がついてリプが飛んでくるような感じがするんだ。
だから、あたしもしばらくの間はILNEの通知音にあり得ない期待をしてしまう自分が嫌で、ずっと通知切ってた。
高校入学のタイミングで元に戻したけど、やっぱりまだ鳴ると落ち着かない。
日常のやりとりをしてた先輩のお父さんは、もっと辛いんだと思う。



