走り始めた電車を踏切の前で見送ったそのとき。

あたしの目の前を通り過ぎたその電車の扉の窓際に立っていたのは。


「先輩!!!」


徐々に速度を上げた電車はあっという間に後ろ姿だけになり、そのまま小さく遠ざかっていった。