先輩と秋田君が兄弟だったってこと、本当に驚いた。 だけどそれよりも…… 先輩の話をしたときの秋田君の感じが、意外だった。 いつもの俺様で気ままでニヤニヤしたアイツじゃなくて、まるで捨てられた子犬みたいにまっすぐな目で、一字一句聞き逃さないように、真剣に、あたしの言葉に耳を傾けて。 時折、思い出したように瞬きする睫毛が、少し、湿っていた。 なんて顔をするんだろう……って。 胸が苦しくなってしまったよ。