やっぱりここは嫌いだ。 涙を拭って無理やり上を向き、あたしはまだ少し肌寒い、だけど膨らみ始めた蕾の香りが漂う季節の風がそよぐ道を戻る。 去年の今頃、この香りはあたしの恋を祝福してくれる香りだった。 ……はずなのに。 たった一日だけの両想い。