「想」


低い声が、私を呼んだ。
振り向いたら、佐伯くん。

「類、何してんの?
俺のなんだけど」

「ごっこの彼女でしょ?
俺のは、違うよ。
女全員切ったから」


ざわめく教室。

「うそー、相沢くんが!?」

みんなの、慌てよう。
相沢くんの行動は、ありえないことらしい。

「来いよ、想っ」

ーーグイッ。


「きゃっ」


私は、佐伯くんに抱きしめられていた。
佐伯くんの胸辺りが私の頭。
長身な彼に抱きしめられて、みんなの前でって恥ずかしく染まる赤。

「仁。
それってつまり、そう言う事ね。
わかったよ、じゃあ本気出していくから!」


ーーグイッ。

「きゃっ」

私は相沢くんに引っ張られ、相沢くんの胸の中にいた。



「想ちゃん、俺…仁から、奪うからっ」


えっ…⁇

これは、夢ですか?

睨み合う佐伯くんと、相沢くん。

そしてその間に挟まる私。
不安いっぱいです。