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保健室前。
ドアに手を添えたら、聞こえてきた声。

「マジ、大丈夫?
早退する?」

「うん、一人で帰れるよ。
ありがとう、ヒカリちゃん」

想と、ヒカリの声。

一人で帰る?
具合悪いくせに?

ーーガラッ。

堪らず開けたドア。

目を見開く二人。
固まる俺。

「俺が、一緒にいるよ。
帰ろう、想」


「佐伯くんっ」

想の声が、聞こえた。

「俺と想ーー、一緒に住んでるから」

「ま、まじ?

二人、マジ付き合ってんだ」

「類とも、住んでる。
いつか、バレるかもだからーー、本当はちゃんと付き合ってない。
想の男よけなだけだからーー今は。」


そう、今はーー。


いつか絶対、手に入れる。