「佐伯くん、無理しなくていいよ。
サボりはよくないけど、無理しなくてもーーー」

私は佐伯くんに、そう言った。

「いや、気にすんな。
類と二人には、させたくないからな」

そう言い、私の頭を撫でる佐伯くんにーー、なんだか照れてしまう。

「手ーーっ」

手ーー⁇

差し出された君の手。
「手、繋いでろ」
え、手を繋ぐ?
だけどーー。
もう、学校は目の前だ。
みんなが見てる。
その中に一角。
私を睨む、、二人組の女の子。

嫌な予感に胸が、騒ぐ。

「いいから、、俺の女だろ。
自信持てよ」

「ずるいぞ、仁。
俺も想ちゃんと手繋ぎたい!」

だけど、、私の気持ちとは裏腹に二人は騒いでる。

前を見たら、あの二人組はもう居なかった。

何も、無ければそれでいい。
何も、無ければーー。

「想、どうした?」

そんな私に、佐伯くんは首を傾げた。
「なんでもないよ」


どうか、気づかないでーー。

どうか、何もなく通り過ぎて欲しい。