不良な彼と恋の契約

*真一、斗真*

「やっぱり、ヒカリちゃんは類か」


落胆とは、こう言うこと。
再度アプローチしたけど、ダメだった。
わかってたことだけどーーーー。

一人の夕方の公園。

トボトボ、と歩いた俺はベンチに腰を下ろした。



「何してんの?」




買い物袋を下げた、斗真さんがいた。

買い物帰り風の、大学生の雰囲気だ。
たしか、斗真さんって想ちゃんがーーーー。




「話さない?
君と俺、何か似てるしっ」


斗真さんと、並んでベンチに座った。
周りには誰もいない。


ずっと、聞きたかったこの人に。

「あのーー、想ちゃんが今でも好きですか?」


聞いてしまった。
かなり直球過ぎだな俺。

「あー、好きだよ。
ずっと、好きだった。
ずっと隣にいた想ちゃんを、好きにならない訳ない。
だけどさあ、もういいんだよ。

今、想ちゃんの隣に居るのはーー仁だから」


斗真さんは、大人だ。

割り切れない。
好きな人を誰かに託すなんてーーーーーー


俺にはできない。