路地を回ったその場所に、あった。
落ちたスマホ。


俺は、そのスマホを裏返した。


想と仁の二人のプリクラの貼ってあるスマホ。

なんで、これがこんなとこに?

「どうした?
輝っ。
それ、想のーー。」


「俺の勘、当たってないよな?
行くぞ、志貴。

きっと、想なら仁のとこにっ」


おねがい、外れてて。

嫌な予感から、外れて居て。
想は、仁のとこに居る。
絶対いる。

なあ、仁。

想、居るよな?




向かう最中に、仁に、電話した。


何回目かのコール。




「"仁、今、想と一緒にいる?"」


なあ、仁。
頼むから居ないなんて言わないで。

聞きたくない。




「"いや、居ないけど。
ーー想に、なんかあったのか?"」




ついに降り始めた雨。



雨雲だった空、降り始めた雨が
頰を濡らした。


曇り始めた視界。

「"悪い。
想、囚われたかも知れないーー"」










"輝くん、大好き。
ありがとうっ"ーーーーーー














いつだって、、








想うのは想のこと。