「うわぁ、美味しそう!ありがとうねっ」

テーブルに並べられたカレーに、ポテトサラダにニコニコの想。

想の指に巻かれた絆創膏に、思わず目が行く。
類に、舐められた指。
斗真が貼った絆創膏。
俺が

君にしてあげることは、何一つ無い。

だから、ついーー目を逸らしてしまう。
俺が想にしてあげられることは、何一つーー無…「佐伯くん、ありがとうっ」


ーーっ。


俺は、、何もーー


「ありがとうっ、佐伯くん。
カレー、頂きます!」

どうして、、


「わぁ、美味しいっ。
ポテトサラダも、美味しいよ!」

サラダを作ったのは、俺じゃない。
俺はただ、皿を洗っていただけに過ぎない。

なのにーーーー。

君が笑うから、何も言えない。