気まずさの残る帰り道。

それもその筈、斗真のーー。

「想ちゃん、本当可愛すぎ。
可愛すぎてやばいよ」

変わりすぎな態度。
あからさまに目立つ、想への好き好き攻撃にーー
想も引いてるみたいだ。

「「…………」」

思わず、斗真を睨む俺らの殺気にーー絶対気付いてるだろう斗真は。

「想ちゃんーー!!」

ちゅ。


想の頰にキスをした。

「斗真さんっ」

想の頰が赤みをさす。
瞳は潤み、斗真を見つめてる。
「ふざけんなよ、想に触るな!」


我慢なんか、しきれない。
俺は、斗真の胸ぐらを掴んだ。

「佐伯くんっ、ダメっ!」

なんでーー?

お前のために、したのにーーやめてと言う想に苛立った。

だけど仕方なしに、俺は斗真を離した。
「まったく、本当ガキだよね」

シワシワになった襟首を治し、ニヤリと笑う斗真。

ムカつくったら、ありゃーしない。