輝の陰にもう1人いる。

近づけば近づくほど、相手が誰か分かる。

リナーーっ。



唇まで、数センチ。

我慢なんかできない。







「俺のに何してるわけ?」









輝の動きが止まった。




俺は、リナの身体を引き寄せて抱きしめた。


少し震えたリナ。

リナの瞳から流れ出る涙。








俺は、輝を睨んだ。


なあ、輝。




「どうしたんだよ、お前っ。
俺、お前が分かんないっ」



本当の気持ち。

輝が、
真一が、わからない。


「女の子、傷つけない奴らだと思ってた」



白牙は、そんな族じゃなかった筈。

いつから、何が変わった?

その時、、バタバタと廊下を走る音が聞こえた。