揺られるバスの中。

派手な揺れはなかったけど、なんだか眠たくてーー
気づいたら私は眠っていた。

輝くんの肩を借りたまま。


「輝っ、それ以上なんもするなよ!」

「やばい、したい気持ちのが勝ってるかも知れない!」


なんだか、騒ぐ声。
だけど眠たい。
どうしょうもない。












「想、起きなっ。
寝るなら飛行機の中で、寝ていいから」

優しい声。
それは知ってる仁くんの声。


なんだかギスギスした空気。

なんでこうなったんだっけ?

隣の輝くんに気づいてーー
思い出した。
クジ引きで別々の人の隣になった私達。

「はいはい、愛が深まったとこで降りるぞ!」

先生、やっぱり確信犯ですか。