ガシッーー。

力強い腕が、私を引き寄せた。
それは、志貴くんの腕。


「どうしてっ」

なんで、私を助けたの?

助けられたのは、これで3回目。

「調子狂うわ、本当。

大丈夫?
なんか、されてない?」


心配そうな顔。
少し呆れた様な顔。

抱き締められたままじゃ、また誤解されちゃう。

「あの、この状況はまた誤解されちゃうから」


こんなとこ、あの子達が見たらーーまた。。


「ちょっと、何してんのよ!

志貴様から離れなさいよ!!」

抱き締められてるのは、どう見ても私なのにーー。
どうしょうもない状況なのに。

私を責める女。


「あんたが、仕組んだことな訳?
やり過ぎじゃない?
この子が、なんかした訳?」


普段、口数の少ない志貴くんが淡々と話すのを、女の子達はびっくりしてる。


「だってこないだ、土曜日。
こいつが志貴様に抱き締められていた。
志貴様は、想ちゃんが好きなんでしょう?
なのに、こいつが出しゃばるからーー懲らしめてやろうってーーっ」










「確かに、想が好きだったよ。
だけど今はーーーーリナが気になる。

まだ、好きとか分かんないけど、リナが気になる。
だから、次ーーリナになんかしたら




あんたら、容赦しないからなっ」










えっーーーー?




今、志貴くんなんて?



私は志貴くんを見上げた。