「やだぁ!!
やめて!離して!!」


二人がかりで、襲われてーー硬直する体。

怖くて泣いてる私に、回されるビデオカメラ。
一人の男が、制服を脱がそうと手を伸ばした。


もう、ダメだーー。

全てを諦めた瞬間ーーーー。



不意に私の上にいた一人の男が、吹き飛んだ。





ガシャン。




「ちょっと、俺のビデオカメラが!?」



ビデオカメラを回していた男は、粉々になったカメラに叫んでいた。













「何してんだよ」












知ってる声。


涙で歪んだ目が、見知った後ろ姿を映した。


「志貴…くんっ」


私は涙を我慢出来ない。


なんでまた、助けてくれたの?
私、突き放したのにーー。

構わないでって言ったのにーー。




「いてーな、邪魔すんなよ!
俺らはその子にーー」

伸ばされた手。
硬直する体。

怖くて、悪夢の続きかとーーギュッ、と目を瞑ればポロッと涙が、頰を掛けた。