なんでーー。



私、ドキドキした。



しない訳ない。
女の子なら誰しもーー。


だけど私はこの時、さらなる災いが近いことを知らなかった。

誰かに見られていたなんて、志貴くんと二人でいるのを見られていたなんてーー。














「リナちゃんも行けば良かったのに、新しいショッピングモールで、可愛い水着ゲットしたし!
ヒカリちゃんに選んでもらったんだ」


月曜日。

何も変わらない日々の筈だった。

「水着買った?リナのも選んであげたかったよ!」

ヒカリは、本当明るい。

ひどいことをした、私を許して仲良くしてくれる。
だけど一部の女子は許してはくれない。




「片瀬さん、呼んでるよ?」

私を呼ぶのは、隣のクラスの子だ。
志貴くんと同じクラス。

嫌な予感がした。


もしかしてーーーー見られた?


「リナちゃん、大丈夫?」


私の顔色に、想は不安そうに見ている。
ダメ、心配かけちゃう。

「大丈夫っ、行ってくるね!」

私は、本当は嫌な気持ちのまま、廊下に出た。



出たら派手目な二人組。



「何か用?」



「ちょっと来なよ」
行きたくない。

嫌な予感しか無い。


だけどーー相手は二人。

「志貴様に、抜け駆けした罰よ。

サッサと来いよ」


両脇を抱えられ、身動きが取れない。