「俺達、デートなんだけど」

めちゃくちゃ不機嫌な、相沢くん。
ヒカリちゃんを胸に治めて、真一くんを睨んでる。

「そう、ダブルデートだからさぁ。
三人で、楽しんで来いよ」
仁くん。
確実に、三人を遠ざけようとしている。

だけどーーーー


「じゃあさあ、ダブルデート+3ってことで!」

ダブルデート+3!?


真一くん、どうしても一緒に過ごしたいらしい。

輝くんは、ニヤリ、と笑う。
それとは対照的に、志貴くんはーーずっと外を眺めていた。

感情の分からない志貴くん。


「志貴も行くよな?」

輝くん、当たり前の様に聞いてるけど、何も言わない志貴くんに、皆は首を傾げた。


「どした?志貴」


なんだか可笑しい志貴くん。

「いや、あーちょっと出てくるっ」


「はあ!?どこに?
また、迷子になる気?
次、迷子になったら館内放送鳴らすからな」

スマホと言う手は、無いんだろうか。

「まあ、とりあえず、行って来るわ」

どこにーー、なんて野暮なことは言わない。

だって、いつもの志貴くんじゃなかった。

ただ、その去る背中を眺めた。