「やだぁ〜、一緒に寝よう?」
寝ぼけてるのか、相沢の首にしがみつくヒカリちゃんに、こっちは赤面だよ。

どうしたものか、悩んでいた時ーーーー

ガチャ。


確かに聞こえたドアの音。

少し濡れた髪をお団子にした、想ちゃんがいた。
湯上りなのか、首にバスタオルがかかってる。


「あれ?
ヒカリちゃん、寝ちゃったの?」


「起きないんだよねーー」

想ちゃんの物言いに、相沢は呆れた様に言った。



「ヒカリちゃん、一回寝るとなかなか起きないんだよね。だからーーーー」

想は、ヒカリちゃんが寝ているソファに近づくと
耳元で囁いた。





「ヒカリちゃん、相沢くんが女の子と手を繋いでるよ!!!」



ーーーー!?


ガバッとヒカリちゃんが、身を起こした。



「あれ?想っ、何してんの?」




まじかよ。


何しても、起きなかったのにーーー。


「ヒカリ、白城が来てるのに寝るなよ」


きっと相沢は、無防備なヒカリちゃんに忠告したつもりだったんだろう。

だけどーーーーヒカリちゃんの反応は違った。


「あ、ごめん。
お客様来てたのに、寝ちゃった。
類に意地悪されなかった?」


それは、もう睨まれるしーー色々あったが言うまい。

ガキに思える。

「ヒカリちゃん、俺帰るね。
また、メールする」

俺の言葉に、相沢がムッ、としたのが分かった。

「うん、アルバムありがとうっ。
今日はごめんね!ーーーー何?」

ふと、気付く。
ヒカリちゃんの髪に付いた糸くず。
ポンポン。
払い落としたらーーヒカリちゃんの頰が赤く染まる。