「なんだよ、びっくりするな」

いや、びっくりしたのは確実に俺らだから。
なんなんだコイツらはーー足音を出さないのかコイツらは。


仁が、ソファを覗き込む。

未だに、スヤスヤ寝ている無防備なヒカリちゃん。
大声を出しているのにも、関わらずーー

「無防備だな、本当。
類、苦労するな」

仁は、ニヤリ、と笑う。

確かに、無防備なヒカリちゃん。
自分が、モテるって気づいてないしーー付き合う人は、かなり苦労すると思う。

俺は思わず、相沢を見た。

「その目、やめれ。
つか、そろそろヒカリ起こすか。
おい、ヒカリっ、そろそろ起きれっ」

相沢が、ヒカリちゃんの身体を揺する。


「ンッ…」

なんつー声出すのヒカリちゃん。


「「「……」」」